緋襷(火襷)・胡麻・牡丹餅とは
緋襷(火襷)・胡麻・牡丹餅
ひだすきは漢字で火襷き、もしくは緋襷きと書きます。
備前焼の代表的な技法で、備前焼の茶褐色の生地の上に見られる赤褐色(緋色)の模様がひだすきです。
ひだすきは元々、生地同士がくっつかないように藁を巻いて焼成を行ったことに由来します。
生地に巻いた藁は焼成により燃え、藁に含まれるアルカリ分が生地に残り発色します。
藁の巻き方を強くしたり、弱くしたり、隣の器との距離などによってひだすきの模様は一つ一つ異なり、ひだすきだけでも模様の力強さ、柔らかさを表現することができます。
備前焼は釉薬を使わないので、ひだすきの他にも胡麻、牡丹餅(ぼたもち)と呼ばれる装飾が行われます。
胡麻は焼成中に降りかかった灰によりできます。
胡麻は灰のでないガス窯ではなく、薪を使う窯(例えば登り窯など)で1週間以上薪をくべ続けなければ作ることができません。
牡丹餅は効率よく焼成するために重ねて焼成したことが原因だといわれます。
重なった部分は灰や火に当たらないため、他の部分とは色が変わり模様となってあらわれます。
備前焼は釉薬を用いないために、窯の中に置いた位置や灰の降り方によって起こる窯変による様々な文様があります。
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